こんにちは。WORXスタッフの酒見です。
突然ですが、読んでみて面白かったビジネス書がありましたので、この場を借りてご紹介させていただきます。
本のタイトルは『イシューからはじめよ』。
この本はコンサルティング業務に従事する方々から高い支持を得ています。
簡単な要約をすると、問題解決には2つの道があり、そのうちの1つ「犬の道」に陥りがちな問題解決方法を避けよう、といった内容です。
「犬の道」がそもそも何であるかというと、社会人がよく耳にする「PDCAサイクル」という用語をご存じでしょうか?
PDCAサイクルとは、
- P:Plan(計画)
- D:Do(実行)
- C:Check(評価)
- A:Act(改善)
の4つの頭文字をとって、PDCAサイクルと呼ばれています。
そして「犬の道」とは、このPDCAサイクルで得た改善(Act)が本質的な問題解決になっていないこと
を指します。
つまり体力さえあれば、「PDCAサイクルを何回も繰り返せば良くなる」という間違った考え方をしてはマズい、問題を解く前に本質的な解決に向けた仮説を立てるべきだと著者は言いたいのだと考えました。
「犬の道」を回避した成功事例・・・お風呂洗いの画期的な洗剤
ライオン社から発売されている『ルックプラス バスタブクレンジング』は成功事例として挙げられることがしばしばあります。

一見、普通の浴槽用の洗剤なのですが、こすらずに60秒待って洗い流すだけというこれまでにないアピールポイントを打ち出したことで、浴室用洗剤市場の大きなシェアを獲得することが出来ました。
もともとは、何度も「洗浄力」や「泡立ち」を良くしようと開発に熱心だったのですが、ライバル社との差は縮まらないばかり。
そこで、浴槽を洗う時に「こすらず洗い」を謳っているこれまでの商品が期待通りのパフォーマンスを発揮していないのでは?という消費者にネガティブな先入観があるのではないか、と仮説を立てることにしました。
そして、「こすらず洗い」を謳った商品が出回っている中で、相変わらずたわしやスポンジで浴槽をこする消費者の動向に着目し、洗浄力ではなくスプレーボトルの開発に取り組みました。
結果、洗剤が行き渡る形状にスプレーボトルを開発したことで、これまで信ぴょう性に欠けていた「こすらず洗い」を実現させ、お風呂掃除で腰や膝が痛くなったり、水に濡れて困っていた主婦を中心にリピート率が上昇しました。
まとめ
本のおすすめから脱線しそうになりましたが、こうした目に見えない消費者のインサイト(ツボ・購買意欲)を読み解くうえで、この「イシューからはじめよ」はとてもベーシックにまとめられていて読みやすいです。
この本を教科書として身近にある商品やサービスの開発秘話、V字回復した会社のエピソードなどと照らし合わせてみるのも、頭の体操に丁度いいのかもしれません。
皆さんのおすすめ本がありましたら、ぜひWORXへお越しの際に教えて下さい☆